スーパーライト背負子(Superlight SHOIKO)ができるまで|アルミ加工の舞台裏

完成したスーパーライト背負子(Superlight SHOIKO)。フレームのアルミ加工を磯村産業が担当
アウトドア専門店「ハイカーズデポ」様(デザイン:Highland Design)よりご依頼いただき、アルミニウム製背負子(しょいこ)「スーパーライト背負子(Superlight SHOIKO)」のフレーム製作を担当しました。最初のご相談から量産開始まで、実に2年。幾度もの試作を経てたどり着いた1台について、製作を担当した磯村産業(代表神戸)に、開発の舞台裏を聞きました。
Q. 開発が始まったきっかけを教えてください。
A. 実は最初のご相談は、チタン製の背負子でした。ただ、想定されていた販売価格から逆算すると、チタンでの実現は難しいとお伝えしたんです。その後、半年ほど経って、別の会社様でアルミの試作を作られたものの、なかなかクオリティが上がらず……ということで改めてご連絡をいただき、そこから開発が本格的にスタートしました。
Q. 2年という開発期間、どのように進めたのですか。
A. 図面がない状態から、担当の五味様が思い描くイメージや必要な機能をヒアリングし、図面づくりから取りかかりました。強度を重視しながら慎重に進めたので、試作は1st・2nd・3rdと重ね、3回目の試作でようやく量産にたどり着いています。

試作を重ねたフレーム部品。1本ずつ穴あけ位置を調整しながら重量を追い込んでいく(磯村産業 工場内)
Q. 開発期間、どのように進めたのですか。
A. 強度と軽さ、そしてデザインの両立です。強度を確保するために補強部品を入れると、そのぶん重くなってしまう。追加した部品を一つひとつ計測し直し、穴あけ箇所を増やすなどして重量を微調整する——というやり取りを、納得のいくバランスになるまで繰り返しました。


精度が求められる曲げ加工と溶接部。強度と軽さを両立させるための調整の跡
Q. 五味様やHighland Design様からのご要望で、難しいと感じたことは。
A. 販売価格ありきでスタートしていたプロジェクトだったので、品質や強度を上げようとするとその分コストがかかってしまう、というバランスには常に悩まされました。たとえば側面にメモリを入れるといったご要望は、費用さえかければ実現できるものでした。すべて叶えて差し上げたい気持ちが強くなっていた分、費用とご要望の折り合いをどうつけるかは、正直難しい判断でしたね。
Q. 磯村産業ならではの強みは、どんな場面で活きましたか。
A. 図面のない状態からイメージと機能をお伺いして、図面づくりから一緒に進められたことだと思います。強度を重視しながらの開発だったので、「短納期」だったかというと難しいところですが(笑)。印象に残っているのは、五味様が当初は個人でこの企画を進めようとされていたところ、途中でお勤め先のアウトドアショップのオーナー様が「これは会社としてやろう」と協力してくださったことです。販売先が決まった状態で開発を進められたのは私たちにとっても心強く、実際のお客様を思い浮かべながら打ち合わせを重ねることができました。五味様の熱意に、こちらも自然と引き込まれていた気がします。

磯村産業の加工現場。さまざまな機械と技術を使い分けながら1本ずつ仕上げていく
Q. 完成した製品を見たときのご感想は。
A. 最初の完成品は、納品のために店舗へ伺いました。オーナー様にもそこで初めてお会いして、カラフルなアウトドアウエアやギアが並ぶ、センスの良いお店だなと感じました。「少ない荷物で登山する」という考え方がテーマのお店のようで、登山経験のない私でも、山に登りたくなるような空間でした。そして、なぜあれほどまでに軽さにこだわられていたのか、お店に伺って初めて理解できました。何日も荷物を背負って歩くからこそ、重さは体力を奪い、それが命の危険にもつながる——そのことを、身をもって教えていただいた気がします。



背面のハーネス、実際の使用イメージ、そして完成したフレーム
製品情報
| 製品名 | スーパーライト背負子(Superlight SHOIKO) |
| デザイン | Highland Design |
| 重量 | 790g |
| サイズ | 幅31.5cm × 高さ50cm × 奥行21cm |
| 耐荷重 | 20kg(推奨積載重量〜13kg) |
| フレーム素材 | アルミニウム合金 |
| 販売元 | ハイカーズデポ |
リンク
販売ページ:https://hikersdepot.jp/products/superlight-shoiko
開発ストーリー(ハイカーズデポ様ブログ):https://hikersdepot.jp/blogs/gear-review/gr-superlight-shoiko
ハイカーズデポ様、この度は貴重な製作事例としてご紹介の機会をいただき、誠にありがとうございました。
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